調査研究

平成29年度活動成果の公表

〇論文(査読付)

  • 蓮池里菜,木下幸治,矢島賢治,高木朗義,六郷恵哲:インフラ構造物のメンテナンス等への新技術活用における障害と対策に関する考察,土木学会論文集F4(建設マネジメント), Vol.73, No.4, pp.I-100-I-111, 2017.12. 【全文】
  • 蓮池里菜,木下幸治,羽田野英明,六郷恵哲:長大コンクリート橋におけるロボット技術を取り入れた橋梁点検の試み,コンクリート工学年次論文集,Vol.39,2018(投稿中).

〇国際会議論文

  • K. Rokugo, K. Kinoshita, R. Hasuike: Activities of Gifu University SIP Implementation Team for Utilizing New Maintenance Technologies, The 2nd ACF Symposium 2017, 2017.11. 【全文】
  • K. Rokugo: Applications of SHCC in Japan – Tools and tips for promoting its use, Proceedings of the 4th International RILEM Conference on SHCC (SHCC4-Dresden), 2017.9. 【全文】

〇雑誌報告,解説,総論等

  • 國枝稔,沢田和秀,六郷恵哲:岐阜大学インフラミュージアムの整備,プレストレストコンクリート, Vol.60, No.1, pp.56-60, 2018.1. 【全文】

〇雑誌記事

  • 日経コンストラクション 研修用に実物大インフラ模型,2017.11.13号
  • 六郷恵哲,松田浩,牛島健,久田真,全邦釘,下里哲弘,安原達,岡田有策:座談会 SIPインフラ技術の実用化・地域実装の加速に向けて,土木学会誌,Vol.102, No.10, pp.30-35, 2017.10.

〇口頭発表

  • 木下幸治,羽田野英明,国枝稔,六郷恵哲:鋼橋の建設過程が学べる大型モデルの開発,日本工学教育協会第65回工学教育研究講演会,2017.8. 【全文】
  • 蓮池里菜,矢島賢治,木下幸治,羽田野英明,六郷恵哲:公共事業に新技術を活用する際の障害と対策に関する考察,土木学会第72回年次学術講演会,2017.9. 【全文】
  • 六郷恵哲,羽田野英明,沢田和秀,木下幸治,川瀬智彦,加藤一郎,一川毅彦:SIP 維持管理技術の地域実装支援としての岐阜大学チームの取組み,第32回日本道路会議,2017.10. 【全文】

〇その他(広報誌,会報,等)

  • 六郷恵哲,沢田和秀:岐阜大学SIPインフラ地域実装プロジェクト/インフラミュージアム,G-NICE News Letter, 岐阜大学産官学連携推進本部,Vo.63, 2018.1. 【全文】

 

平成28年度活動報告書

本研究課題においては,地方自治体等におけるSIP維持管理技術の活用,すなわち社会実装を促すことを目的として,下記の活動を行っており,平成28年度の活動は,報告書(平成28年度活動報告書)を参照して頂きたい。

メンテナンスアドバイザー組織によるSIP技術の棚卸し(主担当:八嶋)

平成20年度から実施している社会基盤メンテナンスエキスパート(ME)養成講座の同窓生で構成するMEアルムナイ,ME養成講座講師およびそれに関わった数多くのインハウスエンジニア(国・県・市町村)という貴重な人的ネットワーク(以下、MEネットワーク)が構築されている。それらの多くは,岐阜県内産官学連携による岐阜社会基盤研究所(平成14年設立)において,継続的な研究活動を継続している。

他の都道府県には見られない貴重なMEネットワークを有効に活用した,メンテナンスアドバイザー(MA)を新たに組織化した。点検診断・維持管理業務を発注する「官」,点検診断・維持管理業務を実行する「産」,および新たな技術を開発してきた「学」で構成される産官学共同体からなるMAは,SIPで提案されている数多くの技術について,
○ 従来技術からの優位性(歩掛、操作の簡便性、精度),実装上の課題などの取りまとめ
○ 岐阜県という地域性に基づいて現場試行技術のスクリーニング(「使いたくなる技術」の選定)
○ 現場試行の実施支援および社会実装上の課題抽出
を行う。
なお,「使いたくなる技術」としては,SIP維持管理技術に類似する既存技術についても比較検討の対象とする。

SIP維持管理技術の実装支援(主担当:沢田)

SIP維持管理技術を実装するためには,SIP維持管理技術と既存技術との差異を把握して適用範囲を明確にするとともに,発注者側の積算体系や,受注者側の実施体制構築に組み込むための課題を解決する必要がある。本研究では,メンテナンスアドバイザーを活用して,以下の3ステップの活動を行い,SIP維持管理技術の実装を支援する。

【第1ステップ】新技術の講演会等を通じた紹介と技術の把握

SIP維持管理技術を紹介する講演会等を開催し,説明やデモンストレーションを通じてその技術の特徴や適用範囲について理解を深める。
メンテナンスアドバイザーが技術を理解するため,デモンストレーションを含めた講演会は,SIP維持管理技術の研究責任者等の出席を求め,岐阜大学で試用フィールドを準備するなどして実際の技術を確認し,適用時の留意事項等を把握する。これらの講演会は,広く公開するだけでなく,MEのフォローアップ研修の場としても活用する。対象とするSIP維持管理技術は20件程度とし,メンテナンスアドバイザーの協議により,選定基準を定めて次ステップでの実用フィールドで試用する技術を5件程度選定する。

【第2ステップ】新技術の実用フィールドでの試用

メンテナンスアドバイザーは,第1ステップで選定したSIP維持管理技術についてその適用範囲を明確にし,選定技術に適した維持管理の発注業務を調査し,試験業務として受注できるよう調整する。選定した新技術は,既存技術との違いを明確に比較できる業務とする。発注者を含む関係者に対する技術面やコストに関する説明資料等の作成には,新技術の研究責任者に協力を求める。なお,現行業務と比較して,試験業務を実施する上で発生する不足分の費用については,本研究における役務費で負担する。試験業務では,適用範囲の妥当性を確認し,材料,作業体制や経費に関する課題の詳細を把握する等,今後の地域実装に向けた基礎資料を収集する。

【第3ステップ】新技術の適用拡大と適用結果の公表

第2ステップでの試験業務の結果を踏まえて,メンテナンスアドバイザーは,既存技術と新技術について,技術・運用・コスト面等から総合的に比較して,新技術の妥当性や適用効果を整理するとともに,適用時の課題や留意事項についても明らかにする。また,地域実装に向けて,SIP技術の採用実績を積むため,メンテナンスアドバイザーやMEアルムナイを活用して,比較的契約の自由度が高い民間工事や準民間工事での適用を推進する。その実績等を踏まえることで、NETIS(試行申請型)への登録等も推奨する。
第1~3ステップを通じて,岐阜県等におけるSIP維持管理技術の適用実績を平成29年度に2件程度,平成30年度に4件以上つくる。

「地域のひと」に優しい技術のデザインに関する調査研究(主担当:國枝)

高速道路管理者や直轄管理者と,市町村をはじめとする地域の管理者が求める情報,技術は全く違う。高速道路や高規格道路のように今後数十年は現行の発展形として供用されることを前提とした場合の維持管理のあり方,およびそこに必要な技術開発が行われてきた。これに対して,地方道は人口の変化に伴い街の形態が変化し,それに伴って道路利用の形態も変化していくことが予想され,路線の選択と集中を考えなければならない可能性がある。そのような判断を迫られた状況で必要な情報や技術が何かを考える必要がある。現段階では,それに関わる「人」を中心に維持管理技術のあり方を考えていく。従来までの「技術」を中心とした維持管理のあり方の展開からの脱却を目指す。ここでいう人とは、住民を含む使用者、管理者、技術者であり、これらの人が何を求めているのかを情報整理していくことで、地域で求められている維持管理技術を提案する。

新技術を社会実装しやすくするための調査研究(主担当:六郷)

新技術が社会実装されにくい理由について,維持管理分野だけでなく他分野や海外や過去の事例を調査し,明らかにする。新技術の社会実装がうまくいっている事例とその理由について調査する。社会実装を想定した新技術開発の在り方について考察する。これらの調査と考察を,メンテナンスアドバイザーやMEアルムナイと協力して行う。
調査研究活動の成果については,HP,講演会や学会誌等で公表する。他の地域においても同様の調査研究が行われている場合には,結果を持ち寄ってさらに検討し,SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」全体として提言することを検討する。

広報活動を基にしたSIP維持管理技術の水平展開(主担当:木下)

活動の内容や成果は,講演会,ME関連の行事,ME広報誌,岐阜大学ホームページ等において,迅速かつ分かりやすく公表する。こうした広報活動を通じて,SIP維持管理技術の社会実装に役立つ情報を発信し,使いたくなるSIP維持管理技術の水平展開を図る。

構造物モデルを用いたSIP維持管理技術の検証と維持管理技術者の育成(主担当:國枝,木下)

維持管理技術者を育成するうえで,橋梁やトンネルのインフラ構造物の建設過程を学ぶことは不可欠の要素である。そこで,維持管理に関わる技術者がプレストレストコンクリート(PC)橋,鋼橋,トンネルの設計施工を学習するための構造物モデルを構築し,ME養成講座,大学院インフラマネジメント実践教育プログラム(平成29年度より開始)における維持管理技術者の育成に役立てるとともに,SIPで開発されている点検技術の検証に役立てる。